ライブドア、村上ファンド、みずほの誤発注、M&A… 日々流れる株式絡みのニュース。
ロシア人友人との会話。
「ねえねえ、昨日テレビでずっと流れていたあのニュースって何?」
「そんなん、日本語でも何がなんだかわかれへんのに、それをロシア語で説明しろっていうの? ムリムリ。」
なんて言ってっちゃあ、おまんまの食い上げ。なんとかせねばなりませぬ。
というわけで、金は恥と汗をかいて稼ぐもの、金を動かすだけで稼ぐなんてあかん! 経済は苦手やあ! というような声が大きい関西支部一同、それでもやっぱりとりあえず勉強しとかなあかんわねということで、3月13日、雪の降る中、「株式」を巡る勉強会を開催しました。
前回に引き続き、今回も午前の部、午後の部と2部構成で1日中の勉強会。「私たちってなんて勉強家!」「仕事がなくて暇なだけとちゃう?」と、大阪流のボケと突っ込みをつぶやきながら、午前の部、大阪証券取引所の見学会が大証広報の森さんの案内でスタート。
大証には、最近、外国からのお客さんはもちろん、大学のゼミで、高校の社会見学で、年配の方のカルチャーセンターからなどなど、毎日のように見学があるそうです。中学の修学旅行コースにも入っていて、「昼からはUSJに行きます!」という子どもたちにどうやって説明すればいい?という前置きはなんのためだったか… 私たちへの説明も、「中学生にはこんなたとえで説明するのですが…」という前置きをつけて説明して下さる。
そう、私たち、中学生相手ぐらいに説明していただいた方がわかるのです。とってもわかりやすい説明で、ユーモアも交えて、私たちの初歩的な質問にも丁寧に答えて下さり、1時間半があっという間に過ぎてしまいました。
我々が、何を質問するかって? 立会いが廃止されてコンピューターによる取引になったのが99年。「コンピューターはどこにあるんですか?」みなさんご存知でした? テロなどを警戒して、証券取引所のシステムセンターの住所は秘密なんだそうです。
「コンピューター取引とすると、ここで座ってらっしゃる職員の方々は、何をしてらっしゃるんですか?」まあ、遠慮のない質問。ともかく、株取引のイロハから、大証の歴史まで、1時間半のお話で、いろんなミステリーがクリアになりました。
お昼ごはんをはさんで午後は、京都大学経済研究所教授、溝端佐登史先生によるレクチャーです。まずは、先生がいらっしゃるまで本部から借りた東証のPRビデオ(日本語版・ロシア語版)を鑑賞。溝端先生がいらして、レクチャーの始まり。
テーマは、「ロシアの企業:制度・現実・個性」。午前の「中学生にだと…」というお話とは打って変わっての大学生向けゼミ。どころか、ロシア語のプロフェッショナル相手ということを意識されてか、内容の濃いこと濃いこと。先生のお話についていくのに頭がマラソンしているような状態でした。
先生は、私たちの知りたいことをしっかり理解してくださっており、一般的なロシア経済情勢のお話ではなく、ひとつひとつの経済用語について、それは何を意味するのか、ロシア語ではなんというのか、英語がどの程度普及しているか、ロシアではどのように機能しているのか、日本やアメリカ、ドイツなどとどう違うか、ということを90分という限られた時間で、基礎的なОАО、ЗАОから始まって、コーポレートガバナンスといった、耳慣れない(私だけか?)用語についてまでを、1992年ごろから現代に至るまでのロシアにおける経済情勢の変化の時系列と照らしながら、お話下さいました。
14ページ(+資料14ページ!)に渡ってびっしり書かれたレジメの内容のほぼすべてをすごい速度で!「これって1年分の授業の内容を90分で聞いたことになりません?」「論文6本ぐらい分ですよ」「・・・」。
とにもかくにも、充実した1日でした。参加者の感想、「今日からニュースがよくわかると思う」。まさに、なんだかわけのわからないことだったのが、ちょっとわけのわかることになったような気がします。